PWM ペルチェコントローラー
・ペルチェ素子のパワー制御はPWM (Pulse Width Modulation) 方式によって行うため、デ
ジタル的に発生したパルスを使用するので、温度変化等が少なく、高精度の制御が可能です。
・アナログ型にありがちな、大きく重い電源部や、そこからと制御出力段のトランジスター
からの発熱が少なく、加えてPWM 方式でPower-MOS FET のスイッチングで制御を行うため、
低消費電力化や装置の発熱を抑えることができ、かつ軽量化されています。
・AVR マイコンの制御ソフトにより、広い範囲のPID 制御パラメーターを実装できる。(ア
ナログ型では広い範囲の積分時間や微分制御は難しい。)
・Power-MOS FET のFull-bridge 回路を採用したため、ペルチェ素子に対し、+電源のみか
ら逆方向電流も流す事ができ、発熱による温度制御も可能となった。加えて、逆極性の電流供
給に対応するための+ーの2電源は不要であり、+のみの1電源で済む。
・デジタル型のため、プログラムの書き換えによって、任意の追加機能を持たせられる。ま
た、非線形制御も可能。加えて、USB ポートによるPC との通信インターフェースを持っており、
外部PC からも制御温度等の設定が可能であり、3段階の設定温度を時間的に順次変化させて
いくこと等も可能。また、サーミスターで読み取った温度を1時間分、記憶しておく事ができ、
後でPC にUSB 経由で出力できるので、PID 制御の実習・実験の結果をチェックできる。
・デジタル型であるので、グラフィック液晶に温度変化のグラフを表示でき、その場で制御
が良好か等を見る事ができる。また、最適なPID 値をすぐに知る事ができる。
使用上の注意
ペルチェ出力信号どうしをショートさせたり、どちらか片側をGND にショートさせたままに
して制御をスタートすると出力段のPower-MOS FET が壊れるので、注意。
制御を開始してしばらく経つとヒートシンクの温度が上昇し、その温度をモニターしている
Th の数値が50〜60度C を超えるような場合、放熱器が熱を十分に放熱できていないので、
使用を中止し、放熱器を再設計してください。このような状態を続けているとさらに温度が上
がり、ペルチェ素子が劣化します。放熱器を大型にするか、空冷するか液冷すると良いでしょう。
冷却の装置としては、最近はやっているCPU クーラーを利用すると便利です。または、制御負
荷が小さい場合は、制御温度を室温より高めにすると解決する場合もあります。
仕様
温度設定範囲
10度〜40度C(なお、プログラム変更によって任意の範囲にできる)
PWM パルス出力
電圧レベル:12V または、外部DC 電源を使用する事により3V 〜20V
電流値:内部12V 電源の場合はmax. 8.5A。外部電源の場合はその電源による。
発生パルス幅:0 ~ DC、pulse 幅可変単位= 61 us.
パルス周期:62.5ms.
Power-MOS FET:Rhom SH8M4 を使用してFull-bridge 構成
2個並列接続により、電流max. = 14A (なお、内蔵の12V 電源は8.5A max)
温度計測部
10k ohm サーミスター+ 10k ohm 金属皮膜抵抗器の直列回路による。
温度制御部の読み取り=上記回路の中点電圧を16-bit ADC で読み取り。
上記直列回路への印可電圧= 3.3V。
温度分解能:実際の回路で実験したところでは、0.01C 程度。
W×D×H M3,4点固定